第101章 反撃

木漏れ日が葉の隙間からこぼれ落ち、白いシャツの襟元を淡く照らす。細い影が歩道に伸びたところで、相馬彩芽は足を止めた。スーツケースの車輪がコンクリートを擦り、きい、と小さく鳴く。

池田暁月が、手にしていたミルクティーを差し出した。

相馬彩芽は視線を落とす。白桃烏龍。タピオカ追加、甘さ控えめ、氷なし。

――いちばん好きな味。

彼女は……彼女の好みまで覚えていたのか。

その瞬間、相馬彩芽は、心の底から後悔した。

どうして宮本明珠の二言三言で、池田暁月の真心を疑ってしまったのだろう。暁月が日々向けてくれていたものを、都合よく見ないふりをして。

二人とも何も言わない。相馬彩芽はミルクティ...

ログインして続きを読む