第107章 機会を見つける

宮本明珠はもう一度、掲示板の前まで歩いた。追加された名簿のいちばん下――そこに「宮本明珠」の文字がある。

隣で誰かが彼女に気づき、ぼそっと漏らす。

「……あいつまで来たのかよ」

「だよね。人に迷惑かけた件、まだ終わってないのに。恥ずかしくないの?」

「まあまあ、そう言うなよ。見てると可哀想じゃん」

「同情するなら、おまえが同じ班になれば?」

明珠は何も返さない。踵を返して階段を下り、曲がり角まで来ると、廊下の突き当たりにあるガラス窓へ視線を向けた。

口元が、わずかに弧を描く。

夕刻。宮本明珠は宮本家の別邸の扉を押し開けた。

玄関で靴を脱いでいる最中、リビングから宮本亜...

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