第110章 引き返し

隊伍を分けた途端、その場は瞬く間に二つに割れ、二十人近い生徒が宮本明珠を取り囲むようにして反対側の山林へと進み始めた。

引率の教師は長いこと逡巡した。生徒を両方に分けたまま散らせば、どちらかが危険に遭うかもしれない。結局、やむなく大所帯のほう――宮本明珠の一団について行く選択をした。

「何かあったら、すぐに連絡を取る方法を考えろよ」

そう慌ただしく言い残しただけで、宮本明珠が手にしている機器の危険性をまったく気づかなかった。。

沢筋に沿って、三つの影が遠ざかっていく。

先頭は池田暁月。手にコンパスを持ち、折に触れて俯き、針の向きを確かめた。

最後尾を新井飛鳥が固める。軍靴が...

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