第114章 俺がいる

彼女の頭は彼の胸に寄りかかり、呼吸は浅く、速い。額は服越しでも熱が伝わってくるほど火照っていた。

「車、止めてくれ。彼女をヘリに連れていく」

大型バスが山道でゆっくりと停まる。

車内の生徒たちの視線がいっせいにこちらへ集まった。心配そうに立ち上がって「池田暁月さん、どうしたの」と声をかける者もいれば、新井飛鳥が池田暁月を抱きかかえている姿に目を見張る者もいる。

江口緋心もあとに続いて立ち上がり、眉をかすかに寄せた。

「ずっと雨に打たれていたのに、人を助けて、道案内までして……一度も休んでいませんでした。私の不注意です。顔色がおかしいことに、もっと早く気づくべきでした」

新井飛鳥は...

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