第115章 彼らの気遣い

「大勢の生徒を助けたってことで、学校のほうからも見舞いの連絡が来てる。だが次からは……」

 そこで彼は一度言葉を切った。声音には、有無を言わせない強さが混じる。

「誰を助けるにしても、まずは自分をちゃんと守りなさい」

 池田暁月は、ふっと口元を緩めた。

「うん、分かった。お父さん」

 宮本正言はベッドの足元に立ったまま、まだ車のキーを握っていた。スーツの上着には、雨粒の跡がいくつか残っている。

 二歩ほど近づき、額に触れようとして手を伸ばす。けれど途中で止まり、そのままどこかぎこちなく脇へ下ろした。

 唇がわずかに動く。何度か言いかけて、結局こぼれたのは一言だけだった。

「こ...

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