第118章 身の上の手がかり

池田暁月の瞳が、かすかに細くなる。

彼女はメールを開いた。そこには住所がやたらと丁寧に書き込まれている。西南の山間部、円磨村。最寄りの町までは車で三時間――。

添付されていたのは、ピントの甘い遠景写真だった。低い土壁の家の前に、五十がらみの女が立っている。色褪せた小花柄の上着。小柄で痩せた体つき。顔立ちは、宮本明珠に五、六分ほど似ていた。

備考は一行だけ。

確認済み。木下秀華、51歳。当時、県立病院で出産。子どもが取り違えられた。

独居。他に子どもなし。

池田暁月は、その写真を長いこと見つめた。

一か月半前――自分と宮本明珠が取り違えられていた事実を知ったときから、薄々感じてい...

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