第120章 狂妄さ

池田花依は胸の内でそろばんを弾いていた。

たとえこのあと池田暁月が土壇場で言を翻そうとしても、ここまで人目が集まれば、そう簡単には引き下がれない。

加賀廷悟も脇でその提案を聞き、何度も頷いている。

ユニフォームの襟元を指先で整えると、本人としては余裕たっぷりに見せているつもりなのだろう、気取った足取りで池田暁月の前へ進み出た。手にしていたサンバイザーを頭に被り直す。

さっきまでの加賀廷悟は、池田花依に連れられてコースへ入ってきたとはいえ、内心はひどく苛立っていた。

これから顔を合わせるはずの取引先のことが頭から離れなかったのだ。

だが、池田暁月が見知らぬ端整な男と肩を並べて立って...

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