第131章 雨が止む

池田暁月は毛布にくるまり、御霊舎の入口の石段に腰を下ろしていた。視線の先には、山肌に刻まれた土石流の濃い褐色の傷跡。

それは山腹から谷底まで一直線に伸び、松林を真っ二つに裂いている。むき出しになった岩肌。ひっくり返った根株。

新井飛鳥が御霊舎から出てきた。手には、沸かしたばかりの生姜湯。

彼は彼女の隣に座り、生姜湯を差し出すと、ポケットから小さなものを取り出した。

リュックの内ポケットから掘り出した飴玉。透明なビニールに包まれた、どこにでもあるミントキャンディ。

「冷え止め」

そう言って、彼はそれを暁月の掌に置いた。

暁月はミント飴を見下ろし、それから彼を見た。

雲の切れ間か...

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