第136章 反撃

宮本明珠は目を閉じ、肺の奥まで空気を吸い込んだ。

――これ以上、考えちゃだめ。

宮本。宮本家の娘。

その肩書きだけが、彼女がこの世界で息をしていられる唯一の拠り所だった。

池田暁月が何を突き止めようと、誰にもそれを奪わせるわけにはいかない。

明珠は部屋へ戻り、ドアを閉めるとスマホを手に取って坂東さんの番号へ発信した。

呼び出し音が長く続く。出ない。いったん切ってかけ直す。――それでも出ない。

彼女はメッセージを打ち込んだ。

「私の部屋に来て。聞きたいことがある」

送信してから、ベッドの縁に腰を下ろして待った。

窓の外の夜は墨を流したみたいに濃く、庭の噴水灯が水面に輪を描い...

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