第162章 謁見を求める

「暁月……あの日の夜のことは、こっちが悪かった。あんな言い方をするべきじゃなかったんだ。花依だって、ちょっと感情的になりすぎただけで……」

池田健永は両手をこすり合わせ、これまでにないほど低姿勢な声を作った。

「なあ、なんだかんだ言っても俺たちは家族だろ。お前は小さい頃から池田家で育った。二十年だぞ。この二十年、食うものも着るものも困らせた覚えはない。いったん戻って、ちゃんと座って話そう。な……」

池田暁月は言葉を遮った。

「邪魔」

池田健永の笑みが、顔に貼りついたまま固まる。

池田夫人は何か言おうとして口を開いたが、喉の奥で空気が擦れるだけで、言葉にならなかった。

後ろに立つ...

ログインして続きを読む