第35章 不可能

宮本明珠は顔を上げ、涙で滲む目で新谷若夜を見つめた。

新谷若夜の視線は彼女の頬に落ちる。そこにあるのは怒りでも失望でもない。もっと複雑で、言葉にしがたいものだった。

まるで、手塩にかけて育てた子を見ていて――ある日ふと、その子が知らない誰かに見えてしまった母親の目。

「今回はあなたを信じる。だけど、また同じようなことが起きたら――噂でも、仲間外れでも、あなたのお姉ちゃんが嫌な思いをすることなら何でも……次はもう、言い分を聞かない。分かる?」

宮本明珠はこくりと頷き、また涙が頬を伝った。

「分かりました、ママ。信じてくれて……ありがとうございます」

新谷若夜はそれ以上、何も言わない...

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