第44章 抽薪止沸

池田家の別荘のリビングで、池田健永はソファに沈み込んでいた。目の前の茶は三度も淹れ替えられているのに、彼は一口も口をつけていない。

たった48時間で、池田建材は最大の設計パートナーを失った。

青峰デザインから届いた契約解除通知は、冷えきった文面だった。――全プロジェクト即時中止。違約金は上限で支払う。交渉の余地は一切なし。

ありとあらゆる伝手で探りを入れたが、返ってきたのはたった一言。

『御社は、手を出してはいけない相手に手を出した』

池田健永は薄い弁護士通知を、二十回以上も裏表ひっくり返して眺めた。文字は全部読めるのに、意味だけが理解できない。

雲市で何十年と商売をしてきて、常...

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