第6章 ボスはどうして宮本家の娘になったのか?

 

「ついでに」

池田暁月は淡々と言った。

執事の坂東が茶を運んで正厅へ入る。室内の様子が変わっているのを見た瞬間、顔色がわずかに揺れた。

「お嬢様……これは……」

言いかけて、言葉を呑み込む。視線だけが複雑だった。

暁月が戻ってきてから、坂東は呼び方を改めている。

この部屋の飾りつけは、次女様の宮本明珠が自ら手をかけたものだった。

次女様は養女とはいえ、宮本家で十数年暮らし、旦那様と奥様にとても可愛がられてきた。家のことは大抵、彼女の意向が通る。

それを、実の娘が帰ってきた途端に入れ替える。

――これは、波風が立つ。

坂東は口を開きかけたが、旦那様も奥様も何も言わない。...

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