第62章 よこしまな考え

その一部始終を、宮本明珠は見ていた。

宮本明珠は廊下に立ち尽くす。部屋の中から、暖かな黄の灯りと弾んだ笑い声が、開け放たれたドア越しにこぼれてきて――まるで自分だけが外側に置き去りにされたみたいだった。

新谷若夜がその絵を両手で掲げ、あっちからこっちから眺め回して、名残惜しそうに指先で縁をなぞっている。

宮本亜蘭は頭をわしゃわしゃ掻きながら、「なんで俺にはこういう才能がないんだよ!」と情けない悲鳴を上げていた。

宮本正言は多くを語らない。ただ、短く一度だけ頷く。

もちろん、明珠だって絵は見た。粗を探したかった。

――けれど、見つからない。

爪が掌に食い込み、赤黒い三日月の跡が残...

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