第63章 ひざまずく

「宮本家で、自分にどれだけの重みがあるか――そう言いたいの?」

 池田暁月はふっと笑った。冷笑でも嘲笑でもない。少し意外そうで、心底おかしいとでもいうような笑みだった。

 「宮本明珠、ひとつ勘違いしてない? あなたは養女。私は実の娘。あなたが誇ってるその立場は、私がいらないって手放したから、ようやく回ってきただけ。私が本気で欲しいと思ったら、あなたには宮本を名乗る資格だって残らない」

 その瞬間、宮本明珠の目から涙がどっとあふれた。

 悔しいからじゃない。怖かったからだ。

 池田暁月の言葉は、一つ残らず事実だった。

 この家で二十年。居場所を築き、顔を売り、誰もが自分を「宮本家の...

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