第65章 天下を驚かす

彼女は、自分の作品に自信があった。

『裂紋』は、これまでで最高の出来だ。ほかのどれとも比べものにならない。

繭殻に走るひび割れ。そこから漏れる光。

あのドレスの一針一針、細部の一つひとつまで、何百回、何千回と検討を重ねて仕上げた。

決勝に進める。――いや、もしかしたら1位だって取れる。

彼女はそう信じていた。

大スクリーンが、ちかりと瞬いた。

ざわめきはすっと引き、会場が静まり返る。

「ゴールドフェザー賞、準決勝結果発表――」

決勝進出枠は、3名。

全員の視線がスクリーンに縫いつけられ、呼吸音さえ慎重になる。

3位の表示が、ぱっと浮かび上がった。

日本人選手、作品『蝉...

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