第67章 取引成立

須藤怜は一瞬だけ顔色を変えたが、すぐに例の「私が正しい」って顔に戻った。最初から切り返しの台本でも用意していたみたいに。

「補欠がどうしたの? 補欠だって、運営が規定に沿ってやってる正式な手続きよ! 彼女は4位、3位が辞退した。繰り上げで決勝入り、名実ともに正当でしょ!

それよりさ、予選1位の作品って、実物を会場で見た人いる? 審査は最初から最後まで完全非公開。観客がいたのもあなただけで、審査員の採点だって内訳は出ない。満点がどうやって出たのか、誰が分かるの?」

「そうそう」横から松本笑子が、嫌味たっぷりに付け足す。「予選の選考は外部に公開されないし、審査員だって人間でしょ。美的感覚な...

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