第7章 先生と生徒

 

江口一鶴は玄関口に立ったまま、顔から血の気が引くほど驚いていた。

目を見開いて池田暁月を凝視し、口を開いては閉じ、閉じては開く。

その異変に気づいた宮本志遠が、慌てて歩み寄る。

「江口先生、どうされました? お加減でも――」

「い、いえ……」

江口一鶴はやっとのことで唾を飲み込む。横目で見ると、池田暁月が湯呑みを持ち上げ、澄んだ冷たい瞳でこちらを一瞥した。

――警告。はっきりそう分かる視線。

背中にひやりとしたものが走り、江口一鶴は即座に察する。

ボスは身元を明かすつもりがない。

深く息を吸い、胸の中の荒波を押し込めるようにして笑みを作った。

「宮本さん、失礼しました...

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