第70章 新井遠を説得する

もう待っていられない。決勝戦こそ、最後のチャンス。

決勝で池田暁月を完全に叩き伏せられなければ、自分は宮本家で永遠に彼女の足元を這うことになる。

宮本明珠は立ち上がり、机へ向かう。スタンドライトを点け、画用紙を広げた。

決勝まで、半月もない。

誰もが息を呑むような――全員をねじ伏せる一枚を、仕上げなければ。

彼女は過去のゴールドフェザー賞、歴代の受賞作品アーカイブを最初の回から前回まで総ざらいした。受賞作についた審査員コメントも、一字一句残さず頭に叩き込む。

一晩かけて、第一稿のラフを描き上げた。

――違う。

足りない。足りなさすぎる!

池田暁月と比べたら、差がありすぎた。...

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