第79章 出会い

「花依、絶対に父さんを失望させるなよ」

池田健永が入学手続きの書類一式を手渡すと、池田花依は目を輝かせ、勢いよく何度も頷いた。

「パパ、期待は裏切らない。必ず新井社長を落としてみせる」

YSデザイン学院、メイン棟の前。

花依はガラス張りの建物を見上げた。陽光を跳ね返す外壁は、どこか冷たい色に光っている。

今日は生成りのニットカーディガンに、淡いピンクのワンピース。髪はつやつやと肩に流し、教務課でもらったばかりの教材を胸に抱えていた。

――この格好は、彼女が時間をかけて選び抜いたものだ。上品で、控えめで、男が守ってやりたくなる程度に。

新井飛鳥が今日使う教室を聞き出すまでに、教務...

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