第92章 自殺

宮本亜蘭は慌てて二人の間に割って入り、片手で宮本正言の肩を押さえ、もう片方の手で宮本志遠の袖を掴んだ。焦りで額に汗がにじむ。

「父さん、兄貴はそんなつもりじゃ……兄貴も、もうやめてよ。明珠はいま救命処置中なんだぞ。こっちが先に喧嘩してどうすんだよ。先生が出てくるまで待とう、な?」

宮本志遠は宮本正言を一瞥し、それ以上は口を開かなかった。

新谷若夜は椅子の背にもたれ、目を閉じる。瞼の裏に滲むのは、疲労の青黒さだった。

宮本明珠が目を覚ましたのは、夜もだいぶ更けてからだ。

救急処置室の白い灯りが刺さって、思わず目を細める。左手首には分厚いガーゼが巻かれ、じくじくと痛んだ。点滴のチューブ...

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