第99章 肩を並べて戦う

「これからは、俺が面倒を見る」

そう言ったときの口調は、交渉の席で最終価格を叩き出すときと同じだった。

迷いはない。目も逸らさない。相手に「拒む」という選択肢を与えない。

池田暁月の咀嚼が、ほんの一瞬だけ止まった。

それから焼きポテトチップスを飲み込み、テーブルの紙ナプキンを手に取って指先を拭く。

顔を上げると、彼を見た。

相変わらず、混じり気のない琥珀色の目。

「私は誰かに面倒を見てもらう必要なんてない」声は静かだった。「私に必要なのは、隣で肩を並べて戦える人だけ」

屋台のビニールの天幕が風に煽られて、ぼふっと膨らみ、またしゅるりと萎む。呼吸する帆みたいに。

池田暁月はそ...

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