第146章 彼の妻を奪うことができる

藤崎家の大奥様は、実の息子を貶める道から引き返す気は毛頭ないようだった。あのとんでもない発言をした後も、さらに追い打ちをかける。

「あの子が本当に女の子に興味があるなら、徹くんの彼女だろうが、徹くんの奥さんだろうが、あたしが奪ってでもあの子に与えてやるわ」

 執事の額にじわりと冷や汗が浮かび、思わずそれを拭った。

「奥様、それは……」

「心配いらないわよ。あたしは長年、高橋香織を認めてこなかったけど、もしあの子が本当に藤崎家の血を引く子を宿す甲斐性があるなら、たとえ性格に多少難があっても、守ってやるつもりだった」

 そこまで言うと、藤崎家の大奥様は冷ややかに笑った。

「でも、もう六年よ。高橋香...

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