第156章 私を利用して、楽しいですか

高橋香織は足早に社長室を出て行った。

状況が飲み込めていない水野青葉が慌てて駆け寄る。「高橋社長、大丈夫ですか?」

高橋香織は僅かに赤みを帯びた目で水野青葉をちらりと見やり、言った。「高橋美桜がもうすぐ藤崎蓮と出かけるわ。どんな手を使ってでも、あの子を外出できないようにして」

声は、ひどく抑えられていた。

水野青葉は一瞬呆気にとられたが、すぐに頷いた。「わかりました」

高橋美桜が藤崎蓮に頼まれた報告書を手に社長室へ向かうのを見て、水野青葉は早足で近づき、わざと高橋美桜にぶつかった。

傍らには観賞用の飾り棚があり、多くの草花や、水の入った金魚鉢、水耕栽培のポトスが置かれていた。水野青...

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