第263章 藤崎蓮は高橋美桜と結婚したい

 場は一瞬にして収拾がつかないほどの混乱に陥った。

 凶行に及んだ水野青葉は、藤崎蓮の手の傷口を見て、顔面蒼白になった。恐怖のあまり、慌てて後ずさる。

 高橋美桜は藤崎蓮が自分を庇うとは思ってもみなかった。眉をきつく寄せ、

「怪我を……わ、私が救急箱を探してきます」

 そう言って、彼女はよろよろと駆け出し、引き出しを漁り始めた。

 藤崎蓮は腕の傷を一瞥すると、冷ややかに水野青葉に告げた。

「お前は終わった」

 その一言で、水野青葉は魂が抜け落ちるほど震え上がった。血走った目で高橋美桜を指差し、叫ぶ。

「私が傷つけようとしたのはあいつよ! あんたが自分で割り込んできて刃物を奪おうとしたんで...

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