第353章 二股をかける泥棒猫

追い詰められた高橋香織は、会社が倒産寸前という危機的状況も相まって、常軌を逸した精神状態にあった。ニュースで実母に関する報道を目にするや、怒りで全身を震わせる。彼女は高橋美桜に何度も電話をかけたが、一向に出る気配がない。業を煮やした香織は、汚い言葉で喚き散らした。

一方の高橋美桜もまた、煩わしい事態に巻き込まれていた。最近の騒動があまりに大きかったためか、多くのマスコミが彼女の身辺を嗅ぎ回り始めたのである。

何しろ、蒼天市随一の名門である藤崎蓮と関わりを持った人物だ。しかも藤崎蓮は、高橋美桜と高橋悠太のために高橋香織を切り捨てている。メディアが美桜に興味を抱くのも無理はなかった。

そうし...

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