第49章 母さん、何もないときはお見合いをしないで

 刹那、全員の視線が高橋美桜の体に注がれた!

 藤崎蓮は複雑な面持ちで高橋美桜に問いかけた。「何しに入ってきた? 出ていけ」

 高橋美桜の視線は悠くんに釘付けになり、口をわずかに開いたが……。

 悠くんも高橋美桜に気づき、慌てて目尻の涙を拭った。ママに泣いているところを見られてはいけない。そうでないと、ママが悲しんでしまうから。ぱっぱと涙を拭き乾かすと、悠くんは床から立ち上がり、言った。「ぼく、大丈夫だよ」

 この言葉は高橋美桜に向けられたものだったが、他の者たちは悠くんが自分たちに言っているのだと勘違いした。

 高橋美桜はドアノブを固く握りしめ、今すぐにでも駆け寄って悠くんを抱きし...

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