第6章
晩餐会の時間が再び訪れた。宴会場には燭台の光が揺らめき、今夜の雰囲気はここ二日とは明らかに異なっている。プレイヤーたちが次々とホールへと入ってくるが、その足取りはふらつき、顔には疲労の色が濃く浮かんでいた。血痕、汚れ、そして引き裂かれた衣服が、昨夜の探索の過酷さを無言で物語っている。
誰もが傷を負ってはいるものの、意外にも死亡者や深刻な欠損を負った者はいなかった。
金色の籠の中にいるエリノア・ナイチンゲールは、優雅に自身の羽を整えている。
「治癒能力を持つ狼人の暗殺者? 実に珍しい組み合わせですね」
小夜鳴鳥の声は風鈴のように澄み渡り、その視線はグレイソン・スターリングへと注...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
9. 第9章
10. 第10章
11. 第11章
縮小
拡大
