第7章

【月塔・チャットチャンネル】

「グレイソンって奴、マジでウケる!」

ある幽霊族のプレイヤーが、笑い顔の絵文字を連投した。

「姫様の前であんなヤンデレみたいな態度とって、『このような私めをお気に召しましたでしょうか?』だと? 危うくその場で噴き出すところだったぜ!」

「笑い事じゃないだろ。でも、あいつ本当に時間操作の能力を会得したんだよな」

別の幽霊族プレイヤーが羨ましそうに応じた。

「笑ってたはずなのに、気づいたら涙で飯食ってたわ。時間法則を操るなら、俺たち幽霊族の方が向いてるはずなのに!」

「隊長、質問です」

若い幽霊族の隊員が、おずおずと発言した。

「俺もヒモにな...

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