第7話 復讐の嵐

翌朝には、写真はあらゆるゴシップブログに出回っていた。クリエイション大賞の後、並んで歩く私と悠真。彼が車に乗る私をエスコートする際、腰に添えられた手。もちろん、私の運転手と悠真のアシスタントは都合よく切り取られている。面白い記事の邪魔になる事実は、誰も見たくないというわけだ。

『謎の令嬢、ファッション賞後に年下の愛人と密会!』

『高級ブランドの姫君、年下の愛人を飼いならす!』

コーヒーを飲みながら見出しをスクロールし、その創造性にはむしろ感心してしまった。写真は意図的に不鮮明にされている。連中は、こちらの正体を正確に把握しているくせに、谷口スタジオの名を直接出す勇気はないのだ。賢明...

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