第1章 難破
俺の名は斉藤飛鳥。大学卒業後、恋人と同じ会社に入社した。そこで俺は、人生に大きな影響を与えることになる上司、東山美咲と出会った。東山美咲は気性が荒く、社内でも有名な鬼上司だ。それと同じくらい有名なのが、彼女のサキュバスのようなグラマラスな身体つきだった。そんな女をモノにできる男など、まずいなかった。しかしある偶然から、俺は彼女が非常に性欲の強い女であることを知ってしまう。オフィスで、彼女がディルドを握りしめ、こっそりと自らを慰めているのをこの目で見てしまったのだ。両脚を広げ、その顔には実に淫らな表情が浮かんでいた。その爆発的な肉体は俺の欲望を掻き立て、股間のモノは制御不能なほど硬く膨れ上がった。俺は密かに彼女の自慰行為を写真に収め、それをネタに脅迫し、彼女を俺の性奴隷にしてやろうと計画した。だが、会社の社員旅行がその計画を狂わせた。しかし、皮肉にもこの旅行こそが、俺に彼女を――肉体も、魂も、真に手に入れさせるきっかけとなったのだ……。
「東山美咲、あんたか」
飛行機に乗り込むと、隣の席に座っていたのが、会社の上司であるその女だと気づいた。
東山美咲は部長で、三十歳にも満たない若さでありながら、その身体はとてつもなくグラマラスで、成熟した魅力的な色香を放っていた。上半身には白いシャツ、下半身には黒のタイトスカートをまとい、雪のように白く豊満な脚は、セクシーな肌色のストッキングに包まれている。
胸の乳房は高くそびえ、空気に晒された肌は大きく、そして白い。上半身のシャツを爆発せんばかりに押し上げ、その魅惑的な谷間は深く、一粒の雫形をした青い宝石が、ちょうどその谷間に垂れ下がっていた。宝石の輝きは、まるで俺の魂を吸い取ろうとしているかのようだ。
この女を見た瞬間、俺の心臓は思わずドキドキと高鳴った。彼女の薄青い瞳は、神話のサキュバスのように、俺を激しく掻き乱す。
心拍は制御不能なほど加速し始め、呼吸するたびに、彼女の身体から発せられるたまらなく芳しい香りが鼻腔をくすぐる。
自分の席に着くと、その香りはさらに濃密に俺を包み込み、視界に入る彼女の呼吸に合わせて揺れる乳房は、俺の衝動を抑えがたく掻き立てた。股間のモノは鋼のように硬くなっている。
たまらず、俺は深く息を吸い込んだ。彼女の濃厚な体香を堪能すると同時に、硬くなったモノをさりげなく上着で隠す。
仕方がない。彼女の乳房はあまりにも美しすぎる。大きくて、白い。俺はそれが本当に大好きだった。彼女を見るたび、俺の脳裏にはある光景が浮かぶ。そこでは東山美咲が自らの乳房を捧げ持ち、跪いて俺のモノを挟み込んでいる。さらに彼女はとても淫らに、その豊満な唇で俺のモノを口に含むのだ。
ああ、なんてことだ。この光景が、数えきれないほど脳裏に浮かんでくる。
残念ながら、それらはすべて俺の幻想に過ぎないのだが。
俺の失態に気づいたのか、東山美咲のふっくらとした唇が微かに動き、何かを罵っているようだった。その美しい顔にも、苛立ちの色が浮かんでいる。
青い瞳が俺に向けられる時、そこには厳しさが宿っていた。
その厳しい視線に気づき、俺の心は思わず少し慌てた。ツイてない、最悪だ。
彼女は会社では凄腕だ。スタイルは抜群で、顔も非常に美しい。それと同時に、その性格は非常に厄介で、気性が荒く、常に人を見下しているような態度を取る。
「斉藤飛鳥、私の記憶が正しければ、以前あなたに任せた営業ノルマ、まだ達成できていないわよね? そんな出来で、よくもまあ会社の懇親会に参加できたものね。少しは羞恥心というものがないのかしら?」
「この懇親会が終わったら、あと一週間だけ時間をあげる。それでもノルマを達成できないなら、会社から出て行ってもらうわ」
東山美咲は顎を高く上げ、俺を睨みつける。豊満な唇は相変わらず美しいが、その表情は実に傲慢だ。俺の心に怒りが湧き上がる。一瞬、本気で彼女を座席に押さえつけ、構わず犯してやりたいと思った。
斉藤飛鳥とは俺の名前だ。実のところ、営業ノルマが未達なのは、俺自身の問題というより、完全に外的要因によるものだ。そのことは東山美咲も分かっているはず。彼女が今この話を蒸し返すのは、完全に俺への嫌がらせだ。
おそらく、俺の硬くそそり立ったモノが、彼女を興奮させたのだろう。だが傲慢な彼女が、上司である自分が部下である俺に対して、いわゆる興奮などという感情を抱くことを許せるはずがない。
まったく、犯されたがってる女だ。
俺は少し悪意を込めて彼女の巨乳に視線を送り、それから少し身を引くように姿勢を正し、目を閉じた。
周りにはすでに同僚が何人もいたが、東山美咲の傲慢な態度を前に、俺のために口を出す者は誰もいない。
ある者は俯いて聞こえないふりをし、ある者は憐れみや軽蔑の眼差しを向けてくる。
俺はそれらの視線をすべて無視し、脳裏には再び、東山美咲を激しく犯す光景が浮かんでいた。
こいつら同僚も、俺と同じ、東山美咲に虐げられている弱者に過ぎない。弱者をいじめても尊敬は得られない。強者に抗うことこそ、俺がすべきことだ。
そうだ、反抗だ。東山美咲に対しては、俺の頭の中にはとっくに対処法があった。彼女は社内での地位が非常に高く、おまけにカリフォルニア大学出のエリートだ。彼女に対抗するには、絶好の機会を狙わなければならない。
衝動的に動いても問題は解決しない。むしろ自分が面倒なことになるだけだ。
俺が無視を決め込んだ態度に、今の東山美咲はひどく憤慨しているようだった。胸の大きな乳房が、彼女の呼吸に合わせてかすかに震えている。もし誰かが触れることができたなら、その乳首が怒りのあまり硬くなっていることに気づいただろう。
彼女のような女は、常に人から持て囃され、畏れられてきた。俺のように、あからさまに無視するような態度を取る者などいなかったのだ。彼女が耐えられないのも当然だ。
ただ、彼女自身も分かっていなかった。なぜ俺に無視された後、これほど複雑な感情を抱くのか。怒りとは別に、かすかに奇妙な刺激感があることを。
それは、気持ちよくて呻き声を上げたくなるような欲望だった。
俺が知ったのはずっと後のことだが、東山美咲にはいくつかの心理的な問題があった。常に持て囃され、畏れられてきた彼女には、実は、鞭で打たれること、罵られることを好むという倒錯した嗜好があったのだ。もしセックスの最中にそのような行為をすれば、彼女は簡単に絶頂に達することができた。
この心理的問題には、マゾヒズムという専門的な名称がある。
東山美咲は、マゾヒズム傾向のある女だったのだ。
今回のオーストラリアへのバカンスでは、会社が飛行機を一台チャーターしていた。俺は社内での業績もそこそこだったため、バカンスのメンバーに入っていた。
その時、飛行機はすでに安定飛行に入ってしばらく経っていた。窓からは、高空に広がる黒々とした、心を鬱々とさせる暗雲がはっきりと見える。
俺の心は一気に緊張した。この暗雲は、嵐が近づいていることを意味する。このような極端な天候は、飛行機の航行には適さない。
しかし、災難というものは立て続けに起こるものだ。俺が緊張した面持ちで窓の外を見つめていると、突然、窓の前を濃い煙がよぎった。
こんな高所で、どうして煙が出るのか。考えられる可能性は一つしかない。この煙は、俺たちが乗っているこの飛行機から出ているのだ。
俺は興奮して立ち上がろうとしたが、身体はシートベルトにしっかりと固定されている。次の瞬間、激しい揺れが襲ってきた。
甲高い悲鳴が耳元で響き、柔らかく弾力のある肉体が俺の腕の中に落ちてきた。混乱の中、俺は無我夢中で両手を動かし、耳元で服が引き裂かれる音がした。
やがて、柔らかな塊が俺の手にしっかりと握られていた。
「なんなのよ、斉藤飛鳥、何をしてるのっ!」
耳元で東山美咲の鋭い罵声が響き、俺は自分が掴んでいるものが、彼女の豊満で巨大な乳房であることに気づいた。わずかに硬くなった乳首が、俺の手のひらを押し付けている。
かすかに、乳房の香りも嗅ぎ取れた。だが今この瞬間、俺の股間のモノは以前の硬さが嘘のように、ぐにゃりと萎えていた。
しかし今の俺に、弁解している暇はなかった。機体に大きな穴が開き、強風が俺の顔に叩きつける。風はナイフのように、頬をひりひりと痛めつけた。
同僚の一人が風に巻き上げられて機外へ放り出されるのを目の当たりにし、俺の目には恐怖しか映らなかった。
「クソ女が! クソみたいな社員旅行だ! もしチャンスがあったら、てめえをめちゃくちゃに犯してやる!」俺は東山美咲の耳元で、感情をぶつけるように叫んだ。
飛行機はますます揺れ、開いた穴はどんどん大きくなっていく。もうこの飛行機は助からない、生きるか死ぬか、運命に任せるしかないと分かった。
運が良いことを願う。そう思いながら、俺は最後の力を振り絞り、東山美咲の巨大な乳房を強く握りしめ、さらに力を込めて数回揉みしだいた。
その時、機内の様々なものがすでに乱れ飛んでいた。俺は片手で東山美咲の乳房を掴み、もう片方の手で座席にしがみつく。混乱と狼狽。もはやどんな行動もすべて無意味だと分かっていた。
東山美咲の悲鳴とともに、俺たちは壊れた機体から投げ出され、未知の場所へと落下していった。
