第14章 洞窟に戻る

俺は鈴木清の手を引き、元来た道を急いで引き返した。目指すはさっきの砂浜だ。身分を証明するあのカードは、バックパックの一番奥深くに隠してある。

自分の推測には自信があったが、その真相はあまりにも恐ろしく、今の鈴木清にそれを直視する勇気があるとは思えなかった。

俺自身でさえ、救助隊がすでに遭難したと悟ってからは、ひどく悲観的な気分になった。突如、心の中に渦巻く欲望に感謝した。それらが俺を、内なる絶望から救い出してくれたのだ。

早期に帰還するのは無理かもしれないと察してはいたが、この島にいれば、鈴木清のような女神がそばにいて、彼女を手に入れるチャンスさえあるのだと思うと、彼女と淫らな交...

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