第16章 暴風雨

深夜、俺たちはそれぞれ休息を取ることにした。洞窟の中では篝火が燃えており、外は依然として豪雨だというのに、とても暖かかった。

田中威と中村京子は抱き合っている。二人の体温は、一人よりも勝るだろう。

俺には鈴木清がいるから、そんな心配は当然ない。

東山美咲は一人だった。彼女は比較的憐れに見えた。やはり鈴木清は、彼女が一人で苦しむのを見ていられなかったようで、自分のそばに寄るよう東山美咲を誘った。

東山美咲は一瞬ためらったが、鈴木清の優しい眼差しに気づくと、その誘いに頷いた。

俺は何も拒絶の言葉を口にしなかった。そうすれば、鈴木清は俺と東山美咲の間に挟まれることになり、彼女はも...

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