第18章:中村京子の放蕩

俺はわけもなく、無限の怒りに燃え上がった。なぜかはわからない。彼女のその卑しい様を見ても、少しも愉快にはなれず、むしろ猛烈に腹が立った。彼女を力任せに突き飛ばし、大声で罵り、侮辱してやりたい衝動に駆られた。

しかし、屈辱に歪んだ彼女の表情を見て、俺はその考えを押しとどめた。ただ冷たい視線で彼女を見つめるだけにした。

やがて、彼女の表情が居心地悪そうに変わっていく。あの時の彼女は、きっとひどく気まずかったに違いない。

「食い物のためだけに、か?」俺は問い詰めた。こいつはそういう人間なのだろう、と俺は考えていた。以前俺を裏切り、田中威とくっついたのも、もっと美味いものを食い、もっといい服...

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