第25章 発見

「田中威、お前は何度も食料を調達できると豪語していたな。午前中、俺たちはお前を信用して、食料調達の任務を任せた」

「だが、お前はまともな食料を持ち帰らなかった。木の実ですら、いくつかは虫に食われ、中身は腐っていた」

「それだけならまだ文句は言わない。少なくともお前は行動した。何もしないのと、やっても上手くいかないのは別の行為だ。何もしないことは絶対に許されない。だからこそ、お前に小魚を一本分けてやったんだ」

「失望したのは、俺と鈴木清が戻ってきた時だ。東山美咲と中村京子、あの女二人は自分たちにできることをやっていた。だがお前は、大の男が洞窟で休んでいやがった。そんなお前に、俺が手に入れた食料を...

ログインして続きを読む