第14章 悪夢

長谷川寂は、証拠がまだ不十分な以上、この言葉が少々断定的すぎることは承知していた。

二人は再び警察署へと戻った。

その道中、長谷川寂は佐久本令朝がまだ脚に薬を塗っているのを見て、その眼差しを深くした。

彼は不意に口を開いた。「佐久本先生、特別捜査班の仕事はきつい。あんたの能力と知能は否定しないし、確かに優秀だと言える。だが、あんたのその腕っぷしじゃ、今後本当に凶悪犯にでも出くわしたら、ただ手をこまねいているしかなくなるだろう」

佐久本令朝は自分の脚に目を落とした。

彼女は幼い頃から肌が繊細で、実のところもうそれほど痛みはないのだが、痣だけがずっと消えずにいた。

佐久本令朝はゆっくり...

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