第32章 謝罪

個室全体が、一瞬にして静寂に包まれた。

誰もが自分の耳を疑った。

長谷川寂は、佐久本令朝がさぞかし正義感たっぷりに反論してくるだろうと思っていたのに、まさか自分の言葉に乗っかってくるとは思ってもみなかった。

途端に、長谷川寂は全員から冷たい視線を浴びることになった。

佐久本令朝は続ける。「長谷川隊長のおっしゃる通りだと思います。私みたいな女の子は、手で提げることも肩で担ぐこともできず、確かに特別捜査班にずっといるのには向いていません。毎日あんな死体を見るなんて、本当に怖いですし」

長谷川寂「……」

あんたが死体を解剖している時、その目には一片の恐怖もなかったぞ。

つい数日前、局に...

ログインして続きを読む