第60章 嘘を弁明する

池田瓊音はぎゅっと手を握りしめ、しばらくしてからようやく口を開いた。「ええ、そうよ。あの子が来てから、私の生活レベルはだだ下がり。それに、前は私目当てで来てたお客さんも、今じゃみんなあの子のところに行くようになったわ」

「あの子、私よりちょっと綺麗で、清純ぶってて、その上、結婚してる……人妻だからってだけでしょ。男なんてそんなものよ、そういうのが刺激的なんでしょ」

「男なんて、どうしようもないわ」

長谷川寂は眉をひそめ、指先でとん、とん、と軽くテーブルを叩いた。

池田瓊音はもう取り繕うのをやめ、長谷川寂に流し目を送る。「もちろん、お巡り様は別よ」

長谷川寂は呆れて白目を剥いた。

「男の取...

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