第65章 妹弟子

翌朝早く、佐久本令朝は警察署へ向かい、引き続き花の鑑定作業を進めていた。

花からは何の手がかりも見つからなかった。

一方、茶葉の購入者については手がかりがあり、加藤紹輝が部下を連れて聞き込み調査に向かっていた。

佐久本令朝は検査報告書をアシスタントに渡し、特別捜査班へ届けるよう指示した。今朝は一課から回ってきた検査物もあり、彼女の任務は少々立て込んでいた。

昼までずっと働き詰め、昼食を済ませた後、彼女は特別捜査班のオフィスへ向かった。そこで目にしたのは、珍しく……黒い髪だった。

彼女は少し驚いた。

男の豊かだった長い髪は黒く染められ、少し短くカットされて耳と眉が見えている。

その...

ログインして続きを読む