第5章

 狼人の衛兵が私の腕を押さえつけた。骨が軋むほどの力で、どう足掻いても振りほどけない。

「引っ立てろ」肩を押さえたアッシャーが、氷みたいな声で言い放つ。

 数人の衛兵に左右から掴まれ、私は玄関へ引きずられた。必死に暴れても無駄だ。狼人の膂力は、人間の常識を軽々と踏み越えてくる。

 そこへアデレードが身を寄せ、耳元で囁く。

「あなたも蘇りだって、最初からわかってたわ」

 息が、冷える。

「アッシャーに迫らせて、あなたを番にさせようって言い出したのも私。帝国を手に入れるほうを選べば勝てると思った? そんな都合よくいくわけないじゃない。姉妹なんだもの――最後に笑うのが誰か、見せてあげる...

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