第103章 事務所が破壊される

「潰された? どういうことだ」

夏川翔太は疲労を滲ませたまま、反射的に眉間をきつく寄せた。

伊藤沙梨は彼の袖を指先でぎゅっと掴み、身体を小刻みに震わせている。目は真っ赤で、嗚咽が喉に詰まって言葉にならない。

そこへ早川潤が二、三歩で詰め寄ってきた。顔色はどす黒く、今にも噛みつきそうだ。

手にはスマホを握りしめたまま、歯を食いしばって翔太へ差し出す。

「沙梨のスタジオにペンキぶっかけられて、中の物も全部めちゃくちゃにされた」

低い声だった。けれど、その奥に沈んだ憎悪がはっきり聞き取れる。

夏川翔太は眉をひそめたまま、スマホの写真フォルダをめくった。画面に並ぶのは、目を背けたくなる...

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