第105章 早く引っ越せ2

早川潤はそう言うなり、札束をどさっと放り投げてきた。

中野友香は顔色を変え、拾い上げたかと思うと、そのまま早川潤の胸元へ叩き返す。

「頭がおかしいなら病院行けよ。うちに来て何の存在感アピール? ここは私たちの事務所だよ。出ていくのはあんたらのほうでしょ!」

袖をまくり上げ、爪を立てるみたいな勢いで追い払おうとする。

伊藤沙梨はびくっとして、かわいそうなくらい早川潤の背中に隠れた。そこからそっと顔だけ覗かせる。

「希美さん……私、練習は静かな環境じゃないと無理なんです。前のことは……もう責めたりしません。お願い、ここだけは取らないで……」

白いワンピース。赤く滲んだ目元。指先は早川...

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