第118章 反撃開始

市川希美は、胸の奥をあたたかいものがすっと撫でていくのを感じた。

声のトーンを少し落とす。

「ありがとう、拓。本当に助かった」

谷口拓はくぐもった笑い声を漏らし、二、三言だけ当たり障りのない挨拶を交わしてから通話を切った。

市川希美も電話を切り、もう一度スマホを確認する。SNSのトレンド10件中、9件が西村智也。残り1件が自分の名前だった。しかも、並んでいるのは誉め言葉ばかり。

コメント欄をざっと遡り、ひと通り目を通してから画面収録を回し、保存する。

そこまでやって――彼女は笑った。

どこか、ひどく薄ら寒い笑み。

思えば、彼女はこういうものに縋って、泥沼から這い上がってきた。...

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