第126章 彼女も演奏会を開くの?

江夏晴海は、言葉選びというものを知らない。

伊藤沙梨の頬はみるみる血の気を失い、最後には全身まで青ざめて、風に揺れる花みたいにふらついた。

その様子を見た市川希美の胸に、すっと胸のつかえが取れるような感覚が広がった。

――さすが江夏晴海。昔と変わらず破壊力がある。

希美がこっそり親指を立てると、晴海は得意げに笑い返した。

個室には、伊藤沙梨の小さなすすり泣きだけが落ちる。夏川翔太はようやく我に返ったのか、冷えた顔で彼女の前に立った。

「江夏さん。今のはさすがに、やりすぎではありませんか。市川希美さんがご友人なのは分かります。肩を持つのも当然でしょう。ですが沙梨は、あまりにも何の落...

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