第130章 演奏会の前倒し

市川希美は少し意外そうに目を瞬いた。

「前倒し? どうして?」

中野友香は首を横に振る。彼女も困惑した顔だ。

「私も分かんない。三浦爺さん、そう言うなり電話切っちゃって……すごく急いでる感じだった」

そう言っている間にも、友香のスマホが震えた。三浦爺さんからのメッセージだ。

『明後日15時、星辰ホテル』

市川希美が身を寄せ、画面の文字を確認した途端、眉間に皺が寄る。

「明後日? 急すぎない?」

友香は下唇を噛み、迷いを滲ませた。

「希美……私たち、息は合ってるけど、今回の練習曲って、外に初披露のものが多いでしょ。三浦爺さんの演奏会でやっちゃったら、次から曲目を変えないといけ...

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