第156章 まさか彼女だった!

市川希美のその言葉に、少女はきょとんとした。

まさか市川希美が少しも怯まず、むしろ闘志を燃やしているなんて思っていなかったのだろう。

胸の奥から衝動が突き上げ、少女は思わず市川希美の手を取った。

「まだ名乗ってなかったね。私はヨール。得意な楽器はヴィオラ。アマンダ先生の弟子で、あなたの先輩でもあるの。……試合、頑張って!」

あまりに真っ直ぐな物言いに、市川希美のほうがかえって面食らう。

「私が落ちるかもしれないって、心配じゃないの?」

ヨールは首を振った。瞳がきらきらと光っている。

「先生の目を信じてる。それに、私の目も信じてる。あなたは絶対、勝つよ!」

市川希美は歯を見せて...

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