第164章 ごちゃごちゃしている

市川希美は終始、夏川翔太の電話に出なかった。挙げ句の果てに、彼と敵対する数人と、むしろ頻繁に接触を始める。

だからといって、どこか一社に安易に持ち株を売り渡すような真似はしない。複数の相手から引き出した条件と金額を、整理して、きっちり夏川翔太の目の前に並べさせた。

その裏で、浜野家とも水面下で話を進めていた。

浜野康太は、市川希美が「戻る」と言い、要求をすべて呑んだと聞くなり――案の定、とでも言いたげな顔をした。

見下すような目を向けながら、彼はあらかじめ用意していた書類を、すっと机の上に滑らせる。

「戻ってくれるなら、こちらとしても嬉しい。特に父さんはね。ずっと家族としてうまくや...

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