第167章 大問題発生

夏川翔太は結局のところ、市川希美の親族ではない。だから死亡診断書の手続きは、まだ下りていなかった。

だが本人は意に介さない。彼にとっては、ただの手順の問題にすぎないのだ。

ところが――役員会でその件を共有しようとした矢先、木下社長が一枚の株式譲渡契約書を手に、悠々と現れた。

「いやあ、すみませんねえ、夏川社長。市川さんの株は、たぶんあなたには相続できませんよ。事故の前に、もう取引は済んでいますから。いまや私もあなたと同じで、会社の株を35%ずつ持っている」

木下社長は得意げに口角を上げる。その視線は、敗者を見るそれだった。

夏川翔太の顔色がさっと変わり、思わず声が漏れる。

「そん...

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