第169章 決着がつく

市川希美の早口は、誰も状況を飲み込めないうちに、パーティー会場の隅々まで一気に駆け抜けた。

数々の修羅場をくぐってきた浜野毅でさえ、ほんの一瞬、言葉を失う。次の瞬間、顔から血の気が引いた。

「市川希美! 何をふざけた真似をしてる。家に来る前、約束しただろう!」

声を抑えた怒号。手を伸ばし、彼女の握るマイクを奪おうとする。

だが市川希美は、すっと一歩退いた。伸びてきた手を、寸分の狂いもなくかわす。

「浜野さん。私は“養女として公表する”って約束はしました。でも――当時の真実を黙っているなんて、約束してません」

首をかしげて笑う。けれど瞳の奥に、笑みは一滴もない。あるのは冷え切った光...

ログインして続きを読む