第25章 堪忍袋の緒が切れた!

希美は彼女の表情を見た瞬間、また厄介な芝居が始まると悟った。

身を引く暇もない。伊藤沙梨が駆け寄ってきて希美の手を掴み、しゃくり上げながら謝り出す。

「誓って言います、あのSNS、ほんとに他意はなかったんです。なんであの人たちが希美さんにまで飛び火させたのかも分からなくて……でも希美さんが、私が裏で煽ったって思うなら、それなら私のせいってことにします。希美さん、本当にごめんなさい!」

言い切るや否や、伊藤沙梨は深々と頭を下げた。

周囲の空気が、ふっと薄く止まる。すぐに元へ戻ったが、明るい視線も暗い視線も、いくつもこちらへ流れてきた。

希美は離そうとしない手を一瞥し、淡々と目を上げる...

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